ふいに
なんで〇〇が好きなんですか?
と、素直に聞かれると
どこかうまく答えきれないまま
話が終わってしまうことがあります。
答えてはいるのに
どこか足りないような
少し言葉が追いついていないような
そんな感覚が残ります。
好きな理由がきれいに並ぶと
わかりやすくて
人にも伝わりやすい。
うまく言葉にできないと
自分の好きは
そのくらいなのかなぁ
なんて思ってしまうこともあります。
整った理由がある
「だから好き」は、
その好きを持っている自分に
すこし自信がつくような、
どこか安心できる感じがあります。
けれど
好きという気持ちは
きれいに理由を並べられるものばかり
ではないのかもしれません。
自分の中のどこかに深く触れて
うまく理由は言えないのに
すこし熱を持ってしまうような
「ただ好き」
ということもあると思います。
嫌いなことの理由は
案外すぐに言葉にできるところがあります。
こういうところが苦手で
こういうところが合わなくて
こういうところが嫌で
そうやって並べていくと
自分の輪郭が
少しはっきりする気がします。
好きなことの理由は
どこがどう好きなのか
きれいに言葉にできたとしても
まだどこか足りない気がします。
味が好き
食感が好き
見た目が好き
けれど
まだなにか足りない。
好きという気持ちは
理由の集まりというより
その少し前に
気持ちが動いていることが
あるのかもしれません。
あとから考えれば理由は見つかるけど
最初にあったのは
説明ではなくて
ただ惹かれていた
ということもあると思います。
きれいに言えないし
うまく伝えられないし。
自分もなぜそんなに惹かれているのか
はっきりわからない。
それでも自分の中に、
好きなことに向かおうとする
うまくおさまらない
熱のようなものを感じる。
言葉にしきれない
「ただ好き」なことというのは
少し不便です。
その不便さごと
なんだか好きだなぁ
と思ってしまう。
そんな感じには
「だから好き」とは
少し違う魅力が
あるように思います。
KOCAGEのお菓子を選んでくださる方の中にも
きっといろんな好きがあるのだと思います。
おいしいから
かわいいから
贈りものにしやすいから
そういう
好きな理由が並ぶのも
とてもうれしいです。
その一方で、
うまく理由を言えないけど
なんだか好き。
そんなふうに思っていただけることも
それはうれしいことだなぁ
と思います。
理由をきれいに並べられなくても
すこし熱を持って話したくなる。
そんな好きなことの中に
KOCAGEもいることができたら
とても幸せなことだなぁ。
そんなことを思いながら
今日もお菓子を焼いています。