一日を過ごしきって
寝床につくとき、ふと
振り返ってみるときがあります。
今日もいろいろ頑張ったなぁ
明日も大変だろうけど頑張ろう
そんなふうに思いながら
その日のことを辿ってみると
自分のためだけの時間ってあったかなぁ
なんて思うことがあります。
ちゃんと一日を過ごして
ちゃんといろんなことをしていたはず。
なのに、振り返ってみると
それは誰かのためだったり
何かを進めるためだったり。
自分のためだけの時間は
案外、思い浮かばなかったりします。
そんな毎日の中で
お菓子を食べる時間は
すこし違う空気があるように思います。
ずっと何かを考えていた頭が
ふわっとゆるんだり。
慌ただしく動いていた気持ちが
ひと口の間だけ静かになったり。
大きく立ち止まるわけではなくても
その時間だけは、すこしだけ
自分に戻れるような気がします。
それは、ひとりの時間
ということではないのかもしれません。
誰かと一緒にいても
それぞれがそれぞれに食べていて
その瞬間だけ
少し静かな時間が流れることがあります。
話し続けるわけでもなく、
何かに追われるように
急いで片付けるわけでもなく。
ただただ、それぞれに
口に運んで、味わう瞬間。
その人だけの
その人のための時間が
流れている。
お菓子を食べる時間には
そんな静けさをすこし感じます。
ひとりで食べても
誰かと食べても
その瞬間だけは、自分に戻る。
お菓子を食べることで
香りと食感、甘味と余韻を
やわらかく感じることができます。
また
今すぐ食べても
あとにとっておいてもいいお菓子は
その人のタイミングで
その人の過ごし方に合わせて
楽しむことができる。
その人の生活に
そっと寄り添えるところに
お菓子のやさしさが
あるような気がします。
一日を過ごす中でも
お菓子を食べる時間は
ささやかなものだと思います。
振り返っても
思い出せないくらい。
でも
そのくらいだからこそ
無理なく毎日によく馴染む。
必須ではないけど
あったらうれしい。
そんなところが
お菓子の魅力
なのかもしれません。
身近に置きやすくて
でも、すこし特別な存在である
お菓子を食べる時間は
「自分のためだけの時間」
とまで強く言えなくても
「すこしだけ自分に戻れるひと時」
そんなところがあるように思います。
KOCAGEも
日々の流れの中で、ほんのすこし
気持ちがゆるむような
そんな時間に
そっと馴染むものであれたら
うれしいです。
そんなことを思いながら
今日もお菓子を焼いています。